離婚とお金/松田法律事務所(東京都千代田区/大田区)

離婚とお金

離婚とお金の問題には、慰謝料・財産分与・養育費・婚姻費用分担請求などがあります。

■慰謝料
慰謝料とは、不法行為(民法709条)によって生じた精神的苦痛に対する損害賠償金のことをいいます。離婚の場合の慰謝料原因として多いのは、DV(家庭内暴力)や不貞行為、遺棄(別居)などです。

慰謝料の対象は、あくまでも具体的な行為に限定されます。つまり、性格の不一致や配偶者の親族との不和などによる精神的苦痛に対して慰謝料を請求することはできません。

■財産分与
財産分与とは、夫婦の共有財産を離婚の際に分割・清算することをいいます。財産分与の対象となるのは、婚姻生活中に夫婦で共同して築いた共有財産に限られます。結婚する前からそれぞれが独立して有していた財産は財産分与の対象とはなりません。

なお、夫婦の片方が労働して収入を得て、もう片方が家事などに専念していた場合でも、婚姻中の収入は2分の1ずつに分割されるのが原則です(2分の1ルール)。これは、配偶者が家事という形で協力してともに財産を築いたと考えられているためです。

■養育費
養育費とは、離婚後に子どもを養うために必要な費用のことをいい、別居する親が状況に応じて負担することになります。養育費の金額は、両親の収入や子供の年齢などの状況に鑑みて決定され、毎月一定額を口座に振り込むのが一般的です。

■婚姻費用分担請求
婚姻費用分担請求とは、婚姻期間中の生活費を清算する請求です。夫婦には互いに協力し、扶助する義務があります(民法752条)。この義務は、離婚協議が始まり別居しているような状態でも存続します。

養育費は離婚後の生活費用、婚姻費用は婚姻中の生活費用と考えるとわかりやすいでしょう。