刑法第199条 「人を殺した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の懲役に処する。」
殺人罪が成立する条件は「人を」「殺した」です。刑法上、胎児が母体から一部露出した状態から「人」とみなされます。なぜなら、胎児が母体から一部でも露出すれば、これに対する直接的な侵害は可能であり、既にその時点において人として保護されるべきだからです。「殺した」とは『殺意をもって、自然の始期に先立って、他人の生命を断絶すること』をいいます。
殺人罪においては、『殺意をもっていたか』ということが重要なポイントであり、殺意が無く人を殺してしまった場合は、過失致死罪(刑法110条)もしくは傷害致死罪(刑法205条)となり、法定刑が軽くなります。殺意の認定にあたっては、計画性、動機、使用した凶器(出刃包丁かカッターナイフかなど)、攻撃した場所(心臓か手足かなど)、攻撃した回数(複数回か1回か)などが考慮要素となります。
殺人罪の法定刑は死刑、無期懲役又は5年以上の懲役です。ただし、殺人罪でも執行猶予がつく可能性はあります。殺人罪の公訴時効はありません。
なお、殺人罪は未遂も罰せられる(刑法203条)ほか、人の生命を奪うという結果の重大性から、殺人のための準備行為をしたにすぎない場合にも罰せられます(刑法201条殺人予備罪:「殺人の罪を犯す目的で、その予備をした者は二年以下の懲役に処す」)。また、被害者から殺害することへの同意があった場合にも罰せられます(刑法202条後段同意殺人罪:「人をその嘱託を受け若しくは、その承諾を得て殺したものは六月以上七年以下の懲役または禁錮に処す」)。
松田法律事務所では、東京都を中心とした関東圏において、離婚・相続・刑事事件等に関するご相談を承っております。特に刑事事件は時間との戦いです。身内が逮捕された際は、早急にご相談ください。
殺人罪
松田法律事務所が提供する基礎知識
-
離婚とお金
離婚とお金の問題には、慰謝料・財産分与・養育費・婚姻費用分担請求などがあります。 ■慰謝料 慰謝料と...
-
債務整理に関するご相談...
債務整理をお考えの場合は、法律の専門家である弁護士に相談するのが一番です。 弁護士以外にも、司法書士...
-
相続法の改正で何がどう...
2018年に相続法の改正が発表されましたが、その後具体的に何が変わるのか、よく知らない・分からないとい...
-
強姦罪
刑法第177条 「十三歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛こう 門性交又は口腔くう 性交(以...
-
養育費はいつまで支払え...
一般的に、養育費とは子どもの教育・監護のために必要な費用のことを言います。この養育費は子どもがいる場合...
-
協議離婚
■協議離婚とは 協議離婚とは、夫婦間の話し合いによって離婚条件を確定し、離婚届を提出するという方法です...
-
成年後見制度とは?利用...
成年後見制度とは、通常の人に比べて重度の認知機能の低下による判断能力が不十分とされる者(認知症や知的障...
-
元パートナーが養育費を...
離婚が成立した時、夫婦間に子供がいた場合に親権を持たない親は何もしなくてよいのでしょうか。この問題を解...
-
相続の流れ
相続にはある程度決められた流れがあります。以下、流れに沿って説明します。 ①相続人調査 相続を開始す...