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役立つ講演メモ ~ 居宅介護サービス契約

 

居宅介護サービス契約について

 

 

1 このコラムで扱う「居宅介護サービス」とは、訪問介護サービスと特定施設入居者生活介護サービス(有料老人ホームでの介護サービス)の両者を意味し、訪問介護事業者と介護サービスを提供する有料老人ホームを併せて「居宅サービス事業者」と表現します。言うまでもなく、居宅介護サービスの契約当事者は、居宅サービス事業者と要介護被保険者(以下、単に「利用者」といいます)であり、利用者は自由に介護サービス事業者を選択し、契約条項(サービス内容等)を決定できるのが原則です。しかし、利用者が介護保険の保険給付を受けるためには、指定居宅サービス事業者からサービスを受ける必要がありますので、つまり、契約の相手方は指定居宅サービス事業者でなければなりませんので、大部分の利用者は、指定居宅サービス事業者と契約するはずです(介護サービスを提供する有料老人ホームであれば指定を受けているはずです)。そして、指定は、事業者からの申請を受けて、都道府県知事が行いますが、指定を受けるためには、厚生労働大臣の定める運営基準を満たす必要があり、運営基準の中では、サービス契約書の内容についても審査対象となっているはずです。その結果、指定居宅サービス事業者の契約書は、ほぼ同じような内容になっています。さらに、居宅介護サービス計画費の自己負担はゼロ、介護保険サービス計画(ケアプラン)の作成が代理受領の要件となっている関係で、通常、居宅介護サービスを受けようとする場合には、指定居宅介護支援事業者を選び、介護支援専門員にケアプランを作成してもらうと思われますので、介護支援専門員が契約書の条項の中核をなすサービス内容についてもアドバイスするはずです。ただ、介護支援専門員には、契約締結権限はありませんので、利用者本人が契約を締結する必要があります。なお、利用者本人に判断能力が十分でない場合には成年後見制度等を利用することになります。

 

2 しかし、実際に問題になるのは、契約書の内容というより、現実に提供を受けているサービスの内容が契約書に記載されたサービスと違う場合(あるいは利用者及びその家族がそのように感じる場合)ではないかと思われます。このような場合、法律の専門家である弁護士に契約書を持って行って相談することも一方法ですが、介護保険制度に詳しい弁護士は残念ながらまだ少数ですし、また、裁判になれば、費用も時間もかかります。安く、早期に解決するためには、弁護士に相談する前に、まず、前述の指定を受けるための運営基準によれば、事業者は利用者からの苦情に迅速かつ適切な措置を講じなければならないと規定されているので、事業者は、契約締結の際に渡す重要事項説明書に苦情相談の窓口のなる職員の名前を記載しているはずですから、その職員に相談する、次に、ケアプランを作成した介護支援専門員に相談する、さらには、保険者である市町村あるいは審査支払機関である各都道府県の国民健康保険団体連合会の苦情相談窓口で相談してみることをお勧めします。

 

 

 

 

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