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役立つ講演メモ ~ 訪問介護員の労働条件・労災保険

 

訪問介護員の労働条件・労災保険

 

 

従来、登録ヘルパーが労働基準法9条に規定する労働者であるか否か、つまり、労働法による保護が受けられるかどうかが議論されていました。しかし、この問題は、厚生労働省平成16年8月27日付通達「訪問介護労働者の法定労働条件の確保について」(以下「通達」といいます)によって、ほぼ解決されました。

 

通達によれば、訪問介護員の勤務形態は、大きく分類すれば、①常勤雇用者、②短時間労働者であって、労働日及び労働日における労働時間が定型的・固定的に定まっている者、③短時間労働者であって、月、週又は日の所定労働時間が一定期間ごとに作成される勤務表により、非定型的に特定される者(いわゆる「登録ヘルパー」です)、④短時間労働者であって、急な需要が生じた場合のみ臨時に雇い入れられる者の4種類がありますが、介護保険法に基づく訪問介護の業務に従事する訪問介護員については、この4種のいずれであっても、一般的には使用者(居宅サービス事業者)の指揮監督の下にあることなどから労働基準法9条の労働者に該当するとしています。事業者との契約の名目が、準委任契約、請負契約となっていても、労働契約であり、労働基準法9条に規定する労働者であるということです。

 

では、労働基準法9条の労働者であるということから、具体的には、どのような保護(逆に言えば事業者の義務)を受けるでしょうか?

 

1 事業者は、労働契約の締結に際し、訪問介護員に対して、賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければなりません(労働基準法15条)。

 

2 訪問介護の業務に直接従事する時間だけでなく、移動時間、業務報告書等の作成時間、待機時間及び研修時間についても、一定の条件を満たせば、労働時間に含めて賃金の計算をしなければなりません。

 

3 利用者からの利用申し込みの撤回、利用時間帯の変更要請等を理由として休業させた場合には、一定の条件を満たせば、休業手当として平均賃金の100分の60以上の手当を支払わなければなりません(労働基準法26条)。

 

4 短期間の労働契約を繰り返し更新している場合でも、雇い入れの日から起算して6ヶ月以上継続勤務し、全労働日の8割以上出勤した場合は、年次有給休暇を与えなければなりません(労働基準法39条)。

 

5 短時間労働者であっても、就業規則の作成要件である「常時10人以上の労働者」に含まれます。10人以上であれば、その中に、登録ヘルパーが含まれているとしても、事業者は就業規則を作成し所轄労働基準監督署長に届け出なければなりません(労働基準法89条)。

 

6 労働者名簿及び賃金台帳については、適正に調整の上、3年間保存しなければなりません(労働基準法107、108及び109条)。

 

 なお、訪問介護員(登録ヘルパー等を含みます)は労働者ですから、事業者は、労災保険加入手続を行わなければなりません。

 

 

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